2005.05.09
母の日のありがとう[198日目]

立夏の5日、天候に恵まれたその日に結納してきました。
前日にはお店に顔を出し、スーツを合わせ、部屋を片付け、打ち合わせ。
大した打ち合わせをすることもなくて、何を言えば良いかもわからないまま、当日は早めの朝食を食べ、彼氏くん一行を家に迎える。
上座と下座を確認しながら部屋に入って、仰々しく差し出された結納品。簡略化されているといっても、充分に豪勢な品々。緊張はしないだろうと思っていたのに、それを見て背骨がきしんだ。
けれど常套句も何もなく、よろしくお願いしますと三つ指突いて、双方頭を下げあったところで「お茶にしよう」と、やっとうちらしく。
緑茶を用意しようとしたうちの母に、「差し出がましいかもしれないけれど」と彼氏くんのお母さんが取り出したのは桜のお茶。
こういうおめでたい場では、緑茶などの葉もののお茶は「濁す」ということで桜茶や昆布茶を飲むとのこと。その博識さに感動するやら、うちの非常識さが恥ずかしいやら。
けれど、こういうことを教えてくれるお義母さんが嬉しくて頼もしい。こういうことをこれからどんどん教えてもらえるのかと思ったら、ちょっとわくわくする。
場所を変えて予約しておいた小料理屋へ。
しょっぱいものがかなり塩辛かったんだけど、お赤飯やお頭や、折り詰めをもらって満腹満足。
このときにもらった鯛のおかしらも、骨を取って身をほぐして、ご飯を炊くときに入れて鯛めしにするといいよと教えてくれたのもお義母さん。
後にうちのおかん曰く、あの人は口うるさい人だけど根に持たない人だね、と。何でも言ってくれるからたまにやかましく聞こえるかもしれないけど、素直に聞けばちゃんとしたことを言う人だと思った。
ウチの親もそうなんだろうなあとも思えた。
婚約指輪はなしにした。
ウチにはクリスマスにもらった素敵な指輪があるし。
何より、もらってもしまっておくんじゃ意味がない。
でも母は、あとで私の指輪あげるよとこっそり言った。離婚はしても大切に持っている、小さなダイヤの婚約指輪。少しだけ、寂しそうだった。
結納返しはできない旨を事前に伝えていたから、結納金もないだろうと思っていたのだけれど、あとで見てみたら大層な額をいただいてしまった。一番上が汗でくしゃくしゃになるくらい、何度も数えた。(そのあとで、番号見れば良い事に気づく)
これだけの価値が自分にはあるのかと、これだけ期待されているんだなと、少しプレッシャー。でも緊張を楽しんでいくのが一番だな。
“このお金で結婚の支度をしてください”という意味の結納金だと結納返しが必要になるらしいけど、そういう意味のお金ではないからと、先方の配慮が嬉しい。何て言ったか忘れてしまったのは、結納金をいただいた事に舞い上がってしまっていたから。
この日から、ウチは彼女ではなく婚約者になった。
5日のその日に帰らなければならないので、母の日には花を郵送で送ろうかとも思ったけど、結局、最近はまっているHTMLメールを送ってやった。
それが冒頭の画像。コレを背景に配置して、メッセージを書く。ついでにmidiなんかも鳴らしてみる。
結納も済んで、彼女から婚約者になって、結婚するんだなあってことを実感しています。大した親孝行もできてないけど、幸せな結婚をすることが、唯一の親孝行かな。
結納が終わってみんなが帰ってから、「おまえは自慢の娘だよ」って言ってくれたのがすごく嬉しかった。
みんなが自慢できるような、幸せな夫婦になるよ。
結納が終わった後で、ケーキをつつきながら、2人して話をした。
いつもしょうもないとか、だらしがないとか、そんなんじゃダメだとか、しょっちゅう怒られ続けていたけれど。自慢の娘だよ、なんて言葉をもらえたのは初めてで。親から見ても成長できたのかなあと思う。変われたのは自分だけど、自分だけの力じゃないことはよくわかる。
昔話をしていた母親は、胸がいっぱいになったのか、ポロポロと泣いていた。離婚は、費やさなくてもいい相当のエネルギーが必要だからと。
母親は、父親が悪かったにも関わらず、とにかく必死で頭を下げた。うちらのためでもあり、まわりのためでもあったから。そこにはどれほどの気持ちがあっただろうかと思ったら、ウチも胸が熱くなった。
お父さんは優しい人だから、と母は言う。だからウチらもお父さんのことを好きでいられる。
結納が終わってから、父親にメールした。
結婚して嫁として向こうの家に入れば、いろんな所に気を使わなければならなくなります。
今のうちに楽しんでおいて下さい。
なにもしてやれないが、幸せな時はまあいいでしょう。
何か困った事があったらいつでも力になります。
体だけは気をつけて。
幸せの基本は健康な事です。
どこかそっけない言葉。それでも心強い言葉。
ウチにはちゃんとお父さんがいる。
母のような母親になりたいと、強く思った母の日でした。
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