2005.02.10

雪国のバリアフリー[111日目]

アレだけ積もった雪が、晴れと雨の日でだいぶとけた。
白くて明るかった世界が、今度は道路の黒が協調されて、暗い世界に見える。
雪道を歩きながらも思ったことだけれど、雪が溶けてからさらにその実態はあった。

歩道の黄色い誘導板。
あれが除雪によってはがれてしまって、あちこちに散乱している。

道路自体に凸凹を作って誘導板の役割を果たしているところもあるのだけれど、
ほとんどは後付のゴム板。春になってからの設置工事もまた大変なんだろう。

それ以前に、雪で道が埋もれてしまうのだからまず誘導板は役に立たない。
弱視の人はこの冬場、どうしているんだろう。


ウチは目は悪くてもしっかり物が見える。
だから障害を持つ人のことを考えた事はほとんどない。
精神的なところに障害はあるかもしれないけれど、バリアを忘れがちな健常者と変わらない。

随分前に駅の待合室の端っこの椅子に座っていたら、なんだかぶつかる人がいた。
その時はメールに夢中で、なんだか荷物が当たってるなとしか思わなくて。
こんな狭いところで荷物整理か。まあ端っこだしなあとか思いながら、
メールを送信してふと目を画面から離すと、白く長いものが揺れていた。
それが白杖だと気づくまでには時間を要した。
小学生のころに習ったことはあるかもしれないけど、ちょっとした非日常。
目の見えない方にしてみればそれはもちろん生活実需品ではあるけれど。

タイミング悪く、気づいた時には列車の時間。
困惑してしまったのもあって、声を掛けることもせずにその場を去ってしまった。

その人は椅子を探していたようだった。
荷物は結構な大きさがあった。


せめて一言すいません、手伝いますよと、声を掛けることができていたら。


通勤途中に散乱した誘導板を見るたび、その一件を思い出す。
あの人はこの雪でも元気だろうか。

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