2004.08.01
それでも人は生きている
月の満ちる夜は寝つきが悪い。最近眠れないのはそのせいだろうか。
布団の上でごろごろ転がっては、どうもまぶたが開いてしまう。
月明かりが眩しいわけじゃないんだよね。
暑さも手伝って、窓際で月を眺めながら、焼酎呑んでみたり。
氷の溶ける音っていいよね。グラスを転がすのが好きだ。
離れている父親から、1ヶ月ぶりにメールがあった。
父の日にきわどい事を聞いたからそれで返せないでいるのかと思ったけれど、
その辺はやっぱりあの人らしく、特に気にしてもいないようだった。
山を愛し、そこで出合った女性と結婚し、子どもを2人残して家を出た人。
だけど父さんのことは好きだ。あっさりとした性格。
いつも山や星のことを思っているせいか、人間ってちっぽけだなと、
なんだか儚いオーラをまとっている。そのくせ実は結構熱い。
ついでに、細身だけど筋肉質。美味しそうな身体をしている事だろうw
理想の男性像ってやっぱり、父親なんだなとよく思う。
ああ、かなりファザコンだなw
1ヶ月前、父の日の次の日に、メールを書いた。
自分の近況以外に、離婚の経緯、そしてもう一人のお父さんとしての話を聞きたいと。
もともとメールのやりとりの回数は多い方ではない。その辺は自分も気を遣っているんだろか?
・・・仕事から帰ると疲れて、寄る年波には敵わないというような事を言いつつも、
釣った岩魚にかぶりつく写真を送ってくるあたり、全然歳を取っていない。
「今夜は月光を浴びたせいか血が騒いで・・・」
メールはそんな冒頭で始まる。同じ月を眺めていたんだなと思うと嬉しかったね。
質問にはしっかり答えてくれた。
離婚の理由。
「それは他に好きな女ができたから。というきわめて単純な理由です」
(゚д゚)
・・・ビックリした。ここまで直球投げてくるとは。
うちらのことはもちろん、親不孝をした事に胸が痛む、と。
祖母はその祖父に連れ添い、かなりの心労と苦労を重ねてきた人。
安定した生活をやっと手に入れたというのに、家に入っていた両親が離婚、
可愛がっていた孫も一緒に家を出て。
祖父が他界してからの祖母は、会えば必ず、泣きながらうちらを抱きしめていた。
昔はそれが嫌で会いに行くのを避けていたんだけど、こうやって考えると本当、
一番の被害者は祖母だったんだろう。
今では弟夫婦と暮らしているが、会うたびにだんだん小さくなっていく。
それでも元気に暮らしているけれど、先はわからない。
生きているうちに、幸せな姿を見せに行ってあげたいな。
そして、「もう一人のお父さん」・・・は、いませんと。
向こうの家庭の父親になる気はなくて、これからもないだろう。
やっぱり「娘」と呼称するけれど、子どもをもうけたこともなく。
向こうの家庭もうち以上に複雑だけれども、あの性格で救われているところは大きいようだ。
そしてこの人。
メールではいつも、父親らしいようならしくないような言葉を書いてくる。
> 社会の中ではいろんな人間関係があり、
> 相手の不幸で自分が幸せになることも日常茶飯事です。
> 辛い思いや、悲しい思いを沢山しなければ人は幸せになれないのかも知れません。
・・・何も言わずに考えさせてくれます。ホント、色々とね。
そんな現実に負けるもんかと思わせてくれる人がウチにはいるけれど。
ああもう、キーが見えなくなるっつの。
ただでさえもらったメールを最後まで読めなかったのに。
ウチの本名の由来は、両親の愛した自然の情景からだそう。
大きな愛情を感じると、それだけでなぜかボロボロ泣いてしまいます。
月の満ちる夜は、しばらく泣いて過ごす事になりそうだ。
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